テスラモデル3スタンダードレンジプラスが2019年10月に納車され15,000km走行した所感をお伝えしたいと思う。結論からお伝えすると、このモデルは価格、性能、ランニングコストのすべてにおいてコストパフォーマンスに優れ、後悔なしの非常に満足のいく車であった。もっと多くの方に認知して乗ってもらいたく情報をお届けしたいと思う。
※2021年2月に価格が変更されたため状況が少し変わっています。
モデル3スタンダードレンジプラスとは?
テスラモデル3スタンダードレンジプラスはテスラが販売する最安値モデルとなり、値段は¥5,110,000~¥4,290,000で航続距離はWLTPにして448km~でRWD(後輪駆動)の車である。上位モデルのロングレンジやパフォーマンスは全てAWD(全輪駆動)設定であり、それらに比べると航続距離は121~151km程少なく、値段が¥1,442,000~2,063,000¥700,000程安い設定となっている。
2021/3時点 | スタンダードレンジプラス | ロングレンジ | パフォーマンス |
---|---|---|---|
パワートレイン | RWD | AWD | AWD |
航続距離 | 448km | 580km | 567km |
加速(0-100km/h) | 5.6秒 | 4.4秒 | 3.3秒 |
バッテリー容量 | 50kWh(非公開) | 82kWh | 82kWh |
値段 | 429万円 | 499万円 | 717.3万円 |
上位2モデルのオーディオは14スピーカー、サブウーファー1、アンプ2装備に対してスタンダードレンジプラスは8スピーカーのみでサブウーファー等は装備していない。また、スタンダードレンジプラス標準では後部座席のシートヒータ設定がなかったり(オプションで有効化可能、日本未上陸2021/3時点)、フロアマットが標準で装備されていない。※以降スタンダードレンジプラス(SR+)
航続距離
航続距離は十分な理由
私自身、スキーやゴルフ、登山やアウトドアアクティビティが多く、東京から主に新潟や長野方面へロングドライブをする機会が多い。SR+購入後、一番懸念点は航続距離になると考えていた。
ロングドライブや-10度環境等、厳しい条件下を含め様々なアクティビティにてSR+を走らせたが思いの外、航続距離に関して不便に思ったことが一度もなかった。
その理由として主にテスラスーパーチャージャー(テスラ専用の超高速充電器)の存在が大きいが、それを使わずとも都心から関東周辺のゴルフ場や伊東、箱根なども無充電で行って帰ってくることができる。先入観で少ないと思っていた409kmという航続距離は案外十分な航続距離だったのではと今では思う。
SR+の航続距離はWLTPで409kmとあるが、私の実走行データの平均から算出すると実走行距離は330km位である。2割程安全マージンをとっても264km。果たして264km以上無充電で走行するユースケースはどれくらいありえるだろうか。アクティビティが多い私でもそのような場面に出くわすことはなかった。スーパーチャージャーをはじめ、デスティネーションチャージング(目的地充電)を利用することで行程によっては残量が4割切ることがないケースさえある。今後充電器の数が増えてくることを考えると航続距離が少なめのSR+の購入はお得だ。
航続距離で不安に思った状況
1. 道を間違えた。降りるICを間違えた。通り越した。
これはSR+のデメリットかもしれません。降りるはずのICを間違えて50km以上多く走行することになってしまうケースは少なからずあると思います。今でも複雑なジャンクションで道を間違えると冷や汗をかく。ロングドライブで充電計画外の不測の事態に備えてSR+の場合は、チャデモアダプターを予め購入することを推奨する。電欠は必ず避けたい。道を間違えたら多少お金がかかっても無理せず最寄りのSA/PAの急速充電利用をお勧めする。
2. 電池残量を示す%が思ったより早く消耗する(気がする)
テスラ車では%または航続距離で電池残量を表示する。元々ガソリン車でアナログ針表示に慣れていたため、1%ずつ下がっていく電力表示が不安に感じていた。しかし、今となってはほぼ気にしなくなり、むしろ早く消費しないかと思うことさえある。なぜかというとテスラナビが示す到着予測残量が正確なため、消費した=到着と思うようになってしまうからだ。
現状が厳しいと思われるルート
現時点(2021/1)SR+が無充電で走行が厳しいと思われる場所は以下のような場所だ。
・佐野SC – 仙台SC間(郡山SCがオープンすれば解消)
・佐野SC – 会津若松間(郡山SCがオープンすれば解消)
・甲府SC – 名古屋SC間(飯田SCがオープンすれば解消、浜松経由も可)
・高崎SC – 菅平間の往復(残15% 目的地充電が少ない)
参考:スーパーチャージャー:テスラ公式
私が確認している上記の場所を頻繁に通る場合は道中急速充電か目的地充電を探す必要がある。
車の運動性能について
RWD(後輪駆動)
頭が振りやすく、試乗車のパフォーマンスAWDに比べて少しライトな印象。ドライ路面を走行する分には申し分ない性能である。雪道も走行したが、トラクションコントロールの反応が速すぎて正直ほとんど滑らない。かなり安心して運転することが可能だ。ただ、どの車も同様だが、積雪量が多くなり後輪が浮いてしまうような状況になるとスタック必至である。普通の車にも同じことが言えるが、積雪が多い場合はなるべくドライブを控えた方が良い。
加速
試乗車のパフォーマンスモデルのような意識を持っていかれるような加速はしないが、SR+でも笑いが止まらなくなる程、凄まじい加速性能である。ちなみに時速0~65マイル(時速104km)までならSR+の方が速いというテスト結果も出ています。
Dyno Test Shows Tesla Model 3 Standard Range+ Is Faster Than Model 3 Long Range Above 65 Mph!
引用:CleanTechnica
充電代
別のページにまとめたのでそちらを参照ください。
なお、NCSに加入していないため、そちらのレポートはできないが、今の所NCSカードがなくても家充電+スーパーチャージャーで運用ができています。これから契約するかもしれませんが、現時点の充電カードに対する考え方はこちらの記事にまとめています。
バッテリー劣化
納車して1年3ヶ月バッテリー劣化率は6%だ。最初は急激に落ちてそこから劣化が緩やか傾向があります。以下のグラフはモデルS/Xのデータ。(electrek.co転載)

このグラフを見るとモデル3も同様に劣化率10%以内となる可能性が高いと考えている。バッテリー劣化率については引き続きブログでレポートしていくが、この劣化の特性は購入前に知っておきたい。
その他
上位グレードで使わなかったお金をカスタマイズに回すことができる。私の場合はプレミアムインテリアに装備されているサウンドを凌駕するオーディオアップグレードをしています。ブログではSR+プレミアムサウンドと名付けています。元々装備がない分好みのカスタマイズが用意になります。
その他、DIYに関してはこちら
価格
詳しくは「テスラモデル3の注文方法と実際にかかった費用まとめ」で公開しているが、FSD(完全自動運転)オプションなし、CEV補助金(国の補助金)さらに東京都または愛知県の補助金も加えると約400300~370万円前後でモデル3が購入可能だ。これだけ先進的な技術とセクシーな車が手に入るなら購入価値は十分にある。
総括
本記事ではSR+を中心に紹介したが、もちろん予算が許せば+70万でロングレンジを選択できるのでそちらも検討頂きたいです。こんな航続距離で大丈夫か?と思ってたSR+でも十分ロングドライブを楽しむことができます。一番手が届きやすく、コストパフォーマンスが高いテスラモデル3 SR+は非常にお勧めです。SR+を選択して後悔することはないと思いますし、良い選択だと思います。今後、ロングドライブのレポートを継続して投稿していくので是非サイトにお越しになってください。
余談ですが、テスラを保有すると価値観が変わったり、時にはモチベーションを高めてくれたり。得られるメリットは移動だけに止まらない。モデル3はセカンドカーなどではなくファミリーカーとして十二分に活躍してくれるし、家計にも優しい。さらに排気ガスを出さないため、今後の未来のためにも環境に貢献できる素晴らしい車です。もっと広く認知してほしいと心から願う。このブログで何度でもお伝えしていますが、買わなくて良いのでまずは試乗を強くお勧めします!
では、また次回のブログでお会いしましょう。