便利か不便か?モデル3オーナーが充電インフラについて考えてみた

便利か不便か?モデル3オーナーが充電インフラについて考えてみた

テスラ モデル3 SR+(現Model 3)に乗って執筆時点で2年過ぎ、充電インフラを利用してきた率直な感想とこうあったら良いなと思う部分を記事にしました。結論からお伝えすると現状、公共の充電器を利用することがほとんどなくなってしまい、充電カードを解約してしまいました。その背景についても詳しくお伝えしていきます。

今回登場する充電器を一覧にするとこんな感じとなります。

・公共の充電器
普通充電器(3~6kw)
急速充電器(普通充電以上の充電速度)

・テスラの充電器
スーパーチャージャー(超高速充電器)
デスティネーションチャージング(6~9kw)

・その他
200Vコンセント

あまり馴染みのない方はこちらの記事から呼んで頂くと読み易くなるかと思います。

電費と充電計画とは?

公共の充電器

普通充電器

充電時間

普通充電は充電速度が遅いため、主にホテル等の長時間滞在する場所で利用するケースが多いです。以前の記事では8%から満充電まで14時間かかりました。

モデル3 SR+遠出#11 函館・ニセコ#2

この時の充電速度は3kwで14時間充電したので、3kw×14h=42kwh充電できたことになります。モデル3 SR+の場合、大体これで280~300km(1kwhあたり7km)位走行できるので問題ないと感じましたが、電池容量が多く大型のEVの場合は3kwという出力では滞在中に満充電できないケースもあるかと思います。また、電費も落ちるので走行できる距離も少なくなります。できれば普通充電は6kwの充電器が望ましいですね。

料金

充電器の数も検索してみると結構出ます。しかし、充電カードが必要になってくるパターンが多いです。場所によっては充電カードが必要なく、無料のところもあれば現金等で1回500円といった形でホテルに支払うというパターンもあります。

充電カードを提供する日産のZESP3はプレミアム会員となれば無料で普通充電が使い放題ですが、月々最低でも2750円を払い続けなければいけません。一つランクが低いシンプルプランというのがありますが、月々500円かかる上、普通充電1分あたり1.65円発生します。 (上記例の14時間利用の場合、1386円位+月500円ですね。)ZESP3は月額充電器を利用しなかった月でも料金が発生します。もちろん充電カードを持たなくてもビジター利用することは可能ですが、e-Mobility Powerの充電器を例に取ると1分あたり8.8円となり、正直利用する気になりません。(14時間の場合、7392円)

私は自宅での充電がメインなので利用しない月も多いのです。ZESP3のシンプルプランの月額500円を払い続けるのも少し勿体無いと感じます。感覚的にはガソリンスタンドを利用するのに月額料金払いますか?といった感覚ですね。ですので、私は主に月額料金が発生せず、充電カードを必要としない施設を選んで普通充電を利用します。

急速充電

謎の出力制限と料金設定

私が一番不満に思っているのは公共の急速充電器で、正直、緊急時以外は使うことはありません。公共の急速充電器はほとんどのSA/PAや道の駅に配備されています。急速充電にも出力の違いがあり、場所によっては20~90kwと様々です。また、現状分単位での請求となるため、20kwの充電器でも90kwの充電器でも同じ10分/550円(ZESP3シンプルプランの場合)になります。こうなると出力の低い急速充電を使う意味がなくなってしまいます。

また、例えば50kwの充電器でも必ず50kwの出力が出るかと言ったらそうでもなく、充電器メーカー相性によって異なります。ベストコンディションで49kw出る時も稀にありますが、ほとんどの場合40kwも出ないことが多いです。真夏のような熱が篭りやすい環境では50kw充電器でも7kwしか出ないなんてこともあります。

仮に7kwで30分充電したところで、7kw×1/2(30分)=3.5kwh、つまり24.5km分位しか充電できません。これでもって料金は1650円となります。さすがに酷いですよね。この状況に陥った記事がこちらです。

モデル3 SR+遠出#12 富山・岐阜

私はこの充電速度のばらつきが旅の計画を狂わせたりするのでよほど時間に余裕がある時以外、公共の急速充電を旅の計画に盛り込むことを避けます。

このような背景もあり充電カード(ZESP3)は解約することにしました。

チャデモアダプターの速度制限

日本の急速充電はチャデモ規格が主流で、テスラに充電する場合はチャデモアダプターが必要となります。このチャデモアダプター自体に出力の上限があり50kwとなります。つまり90kw充電器でチャデモアダプターを使ったところで最大でも50kwしか出ません。50kw以上に対応したチャデモアダプターの登場が待ち遠しいですね。

e-Mobility Powerの新型急速充電器

高速道路上の急速充電器は50kwが多く、一部90kw充電器が配備され初めています。それとは別にe-Mobility Powerでは200kw級の充電器を配備しています。一見200kw凄い!と思われがちですが、200kwを6台で分けるパワーシェアリングシステムのようで、複数台同時に充電することができます。ただし、充電台数によって充電速度が変化していきます。

順番1台2台3台4台5台6台
1909050252525
29075502525
375502525
4755025
57550
650

台数が増えるにつれて充電速度が下がっていくのがわかりますね。感覚的には2台くらいまでは90kwの速度が出ると言われているので良いですが、それ以上になるとちょっと厳しいですね。なせ厳しいかと言うと充電中に台数が増えて充電速度が下がってしまうことは旅の計画が狂ってしまう原因となるからです。具体的な例を出すと「ここで20分充電して80%くらいまで充電できるだろうと思って車を離れて20分後に車に戻ってくると複数台充電されていてまだ充電は50%くらいだった。」なんてことが起きてしまうのです。充電速度が減っても請求される金額は同じというおまけ付きです。

いっそうパワーシェアリングで6口を設けるより、複数台でも出力の落ちにくいように充電台数は2台までの充電器を3基導入する方が良いように思います。(というよりEVのユーザが2台以上にならないように利用する可能性が高い)また、充電速度においても力不足で例えば、国産EVの日産アリアでも最大充電可能速度が130kwととのことですので、最大のスペックを発揮することはできないです。ちなみにモデル3の上位モデルは250kw。このタイプの充電器が全国の高効率なSA/PAに展開されると思うと少し残念な気もしますね。

テスラの充電器

スーパーチャージャー

私がダントツで利用するのはテスラスーパーチャージャーで、テスラ専用の超急速充電器です。なんといっても充電速度が速い&料金が安いというメリットがあります。公共の充電器と同じ時間単位+充電速度での課金となります。よろしければ過去の記事もご覧ください。

テスラを買ったら知っておきたいスーパーチャージャーの基礎知識

最近ではV3のスーパーチャージャーが増えてきて充電速度up&複数台充電時に出力が下がることもないため、充電計画が立て易いです。(充電速度が速いので充電計画を立てることも最近はあまりしていませんが笑) また、テスラナビの経由地にスーパーチャージャーを指定すると何分充電すれば良いか表示されます。大体の充電時間や具体的な料金については過去の記事で紹介していますので、ぜひご覧になってください。

テスラモデル3でロングドライブ

唯一のデメリットは高速道路上に充電器がなく、大体インターを降りて3~5分程のところにある点です。途中のインターで降りると余計に高速料金と時間がかかってしまうことです。

海外では最近になって別のメーカーの車も利用できるようになってきているようですが、日本はまだです。個人的にはこのテスラスーパーチャージャーを全てのSA/PAに配置してその充電器だけでもテスラ社以外の車も利用できるようにできれば非常に利便性が高くなりますし、国内のEVが一気に普及するかと思います。NEXCOさんとテスラさんぜひ実現してください!!

デスティネーションチャージング

こちらは普通充電と同じ運用でホテルやショッピングモールなど長時間滞在する場所に適しています。普通充電と唯一違うのはプラグの形状がテスラ専用になっていることです。テスラ車なら大体無料で利用することができます。充電速度も車種によりますが、6kw~9kwの出力でモデル3の場合1時間あたり42~63km位の航続距離を充電することができます。

私の乗るモデル3 SR+は仕様上6kw位の出力しか出ませんが、十分な充電スピードかと思います。ホテルで利用させてもらって朝までに満充電にできなかったことは当然なく、むしろ充電しはじめたその夜に充電が完了していることがほとんどです。

こちらに関しては文句の付け所がありません。どんどん増えていくと嬉しいですね!

その他

200Vコンセント

実はEVの普及の鍵を握るのはこの200Vコンセントだと思っています。EVは電気で動くのでコンセントから充電することができ、コンセント接続はテスラモバイルコネクターを使います。コンセントを出しておくだけで良いので設置側も低コストでハードルも低いです。まだ設置していないホテルや商業施設にどんどん設置していってほしいですね!

では、また次回のブログでお会いしましょう!

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