テスラ車の買い時はいつなのか、2021年8月時点のテスラの買い時について考えてみました。
驚異的な進化スピード
私がモデル3を購入した時は2019年10月でした。あれから2年足らず大きく進化しました。例えば、ヒートポンプやオクトバルブの搭載による大幅な電費向上や上海のギガファクトリー始動による車体の品質(パネルギャップ等)の向上やオートトランクなどの改良が施されました。スタンダードレンジプラス(SR+)ではLFPバッテリーという新しいタイプのバッテリーを搭載したり、乗り心地や航続距離(当時409km→448km)も大幅に改善され、もはや同じモデル3でも別の車のように感じます。
このように従来のような1年毎のマイナーチェンジといった常識が通用せず、四半期下手したら月単位でマイナーチェンジが入るため、納車日が数日違うだけでも仕様が違うこともよく起こります。また、このように常に新しい技術を投入してくるのがテスラの特徴です。新しいことに挑戦するということはそれだけ失敗(故障)も起こります。一般的にはマイナーチェンジを経ると故障が少なくなる傾向にありますが、テスラの場合、常にチャレンジしているのでマイナーチェンジ後でも不具合が起きるケースも少なくありません。
変動する価格
テスラ車の価格は変動します。これは材料費の変動に連動したものであり、時期によって上下します。2019年10月に購入した当時はベース価格が511万円でした。2021年2月にモデル3のSR+とロングレンジ(LR)に大幅値下げを断行し、それぞれ429万円と499万円になりました。このタイミングでアメリカフリーモンド製のモデル3からコストを抑えることに成功したギガファクトリー上海のMIC(Made In China)モデル3製に入れ替わりました。その後、製造コストの上昇により徐々に値上げが実施され、2021/8時点ではSR+が440万円、LRが524万円とそれぞれ11万、25万円と値上げしています。
この価格変動は一切予告なしで行われるため、初めのうちは私も困惑しました。明日注文しようと思って、次の日に注文ページを確認したら値上げしていたなんていうケースも多々見られます。
今後の進化について
2020年9月のテスラが開催したイベント、Battery Dayから今後テスラが控えるアップグレードを見ていきましょう。
新型セルデザイン:4680
46×80mmサイズのバッテリーということでその名が付いており、このサイズのバッテリーが一番低コストで航続距離が得られる最適なバランスであるとテスラは発表しています。その性能は従来のセルよりも5倍のエネルギー、16%の航続距離、6倍の出力を発揮するとともに$/kwhのコストを14%削減ことを目指しています。記事を書いている時点でプロトタイプが完成しており、2021年末〜2022年の量産に向けて動いているようで、後に登場するコンパクトサイズのテスラにこのバッテリーが搭載されると言われています。
ストラクチャーバッテリー
バッテリーパックを車の構造に直接組み込み、車の構造と一体化していることから、「ストラクチャーバッテリー」と呼ばれています。これにより、従来よりセルを多く詰め込むことができ、車両の軽量化に加え、14%の航続距離延長と7%の$/kwhあたりのコスト削減が見込まれます。
負極素材の改善
負極の素材としてシリコンを使用します。シリコンは安価でグラファイトに比べて電子容量が9倍であることがわかっており、エネルギー容量が大きいです。しかし、シリコンはセル内で膨張し、何度も繰り返しているうちに劣化し、バッテリーが古くなってしまうことが知られています。この問題を解決するために、テスラは生のシリコンと弾性のあるイオン伝導性ポリマーのコーティングを使用して、素材を安定化させるビジョンを打ち出しています。これにより、理論上、航続距離を20%伸ばし、$/kwhのコストは5%削減することを目指しています。
正極素材の改善
現在の電池には、安定性と高いエネルギー密度を持つコバルトが正極材として使用されています。しかし、テスラは以前、コバルトの毒性や、人権侵害を伴う採掘を理由に、コバルトの使用を控える意向を出していました。その代わりに、テスラはニッケルに焦点を当てています。ニッケルは安価でエネルギー密度も高いですが、それだけでは不安定です。テスラは今後ニッケル素材を安定化させ、最終的にはバッテリーのコストを下げることを目指しています。ニッケルに限らず用途に応じて素材を柔軟に変更してソリューションを提供することを目指しています。理論上の目標は正極素材の改善で航続距離を4%伸ばし、$/kwhのコストは5%削減することを目指しています。
バッテリー工場の改善も含めると合計で航続距離54%向上、$/kwhあたりのコストは56%削減できると述べています。このプランは段階を追って徐々に車両に反映されてくるとみられますが、全てのプランが完遂されるとモデル3の航続距離は600~900km、価格は今の半分まではいかないにしても現行の価格より低コストで提供することが可能になると推測できます。
買い時は?
バッテリーデーで紹介された技術がすべて組み込まれるのを待ってから購入すればいいではないかと思われますが、全て実現されるのを待っていては5〜6年経ってもテスラを購入できないかと思います。月や四半期に起こるマイナーチェンジを待ってみても良いですが、購入後すぐにまたマイナーチェンジがあるので、待てば待つだけテスラを楽しむ機会損失が発生すると私は思います。
どうすれば良いか?個人的におすすめしたいのは、今テスラを購入しておき、新しい技術が搭載されたテスラが登場したタイミングで今のテスラを下取りに出して新しいテスラを購入することです。場合によっては中古車業者より良い査定結果が出る場合もありますし、この方法ならテスラに乗れない期間が発生しないのです。
車体番号を入力すると査定結果がメールで送付される仕組みです。査定後2週間以内に注文する必要があります。
テスラは恐らく2021年内にモデルYを日本市場に、そして、数年のうちにコンパクトサイズのテスラ(名前未定:通称ベビーテスラ)を投入してきます。噂では2021年内にギガファクトリー上海で生産開始されるとか。
ストラクチャーバッテリー+4680バッテリーはモデルYに最初に搭載される予定です。ベビーテスラにも搭載される予定です。
個人的にはストラクチャーバッテリー+4680が搭載された車両は現行の航続距離+30%程UPし、世界初のフルダイキャストで作られる車となり車体剛性が非常に高くとても魅力的に感じます。
ちなみに最速納車は中古車か在庫車を選択することです。在庫車を購入した場合、補助金の対象になります!
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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