キャビン過熱保護機能による電力消費とその目的

キャビン過熱保護機能による電力消費とその目的

最近、夏本番前でも30度近くまで気温が上昇して湿気も相まって暑いと感じる日が増えてきますね。この記事ではテスラ車のキャビン過熱保護機能について紹介します。人の命に関わることなので、是非最後までご覧になってください。

キャビン過熱保護とは?

マニュアルにはこのように記載されています。

キャビン過熱保護

空調システムは周囲の温度が著しく暑いときキャビンの温度を下げるよう、Model 3を下車してから最長12時間に渡って作動します。「コントロール」 > 「安全とセキュリティ」 > 「キャビン過熱保護」の順にタッチし、以下を選択します。

・「オフ」:キャビン過熱保護をオフにします。
・「A/Cなし」:キャビンの温度が、40℃を超えたときはファンのみが作動します。このオプションは省エネとなりますが、キャビンの温度が40℃を超える場合があります。
・「オン」:キャビンの温度が、40℃を超えたときはエアコンが作動します。

注:キャビン過熱保護は、バッテリー内の電力が20%以上ある時にのみ作動します。

Model 3 Owner’s Manual

実際、私のモデル3も日中青空駐車+晴天時に直射日光があたり続けると室内温度が50~60度位まで上昇します。キャビン過熱保護を「オン」にしていると当然、キャビン過熱保護機能が作動します。この機能が開始されると、車内が無人でも勝手にエアコンが作動し、車内の温度を下げるように機能します。エアコンが作動するということはもちろん電力を消費します。

では、どれくらい消費するのか。検証した結果をご覧ください。

キャビン過熱保護時の消費電力

キャビン過熱保護「オン」と「A/Cなし」の両方で晴天時にそれぞれ1日ずつ車を放置してみました。

 オンA/Cなし
消費電力1.71kWh(約13km)1.18kWh(約8.47km)
作動時間4時間37分4時間30分

幸い2日とも気温は30度近くで晴天、同じくらいの気象条件でしたが、どちらのモードもそこそこ電力消費していますね。

Model3 SR+の場合、割合でいうと
「オン」の場合は5%位
「A/Cなし」の場合は2~3%位消費しています。

ロングレンジモデルやモデルSやXの場合、バッテリー容量自体大きいのであまり気にならないと思いますが、SR+の少ない容量の場合、1日5%消耗することは結構キツイと思いますし、これからもっと気温が上がることを想定すると5%じゃすまないかもしれません。

解決策

結論、電力消費が気になるようなら「オフ」にしても構いません。

ただ、そもそもこの機能は何のために存在するのか、理解する必要があります。インテリアやコンピュータの保護でという使い方もありますが、本当の目的は駐車した車中に子どもやペットを置き去りになり、熱中症による死亡事故を回避するためのものです。最近、「テレワーク中2歳児を車の中に放置して死亡した」というニュースがあったが、まさにこの機能があれば最悪の事態は免れたかもしれません。

人間は必ずミスを犯します。「ヒューマンエラーの保険」のように思えば、見方が変わるかもしれません。

リリース当時のデモビデオ

では、次回のブログでお会いしましょう。

参考記事:
https://www.tesla.com/sites/default/files/model_3_owners_manual_asia_jp.pdf
https://www.youtube.com/watch?v=-jEMqpp93Qw

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